東方小説 6章その6

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします





「あれから、もう1ヶ月は経ちましたね」
どこからか声が聞こえました。
「ええ、あの場の誰もが勝負は決まったと……霊夢でさえそう思ったでしょうね。けれど、サンが使った最後のスペルカード――」

水化「ウォーターブリンク」

「あぁ、あれは私が教えたんですよ。『気』で分身や身代わりが作れれば戦い方が広がるって。でも、まさか、それで霊夢の誘導攻撃を……少しでも遅らせるなんて……」

「あれは魔理沙の入知恵らしいわ。サンが何処まで本気にしてたかは知らないけど、サンが勝てたのは私のお陰だ、って笑いながら言い回ってたわ」

「なるほど……そんな事があったんですか。でも――」


――「でも」その声はどこか寂しそうに聞こえました。


「でも、サンさんは勝負が決まった直後に倒れちゃって……。これじゃ、本当に勝ったのかなんて分からないじゃないですか……」

悔しそうに震えた声。これは……。

「それでも、サンが勝った事は事実よ。『サンが望んだ通りに、春が来れば宴会をする』とレミリアお嬢様も仰っていましたし、きっと、その時が来れば目を覚ましてくれるはずよ。――さぁ、貴方も持ち場に戻りなさい。いつまでも門を開けている門番がいるなんて、この幻想郷じゃ聞いた事がないわ」

「は、はいっ!!」

ばたばたとした足音。ばたんと扉の閉まる音が聞こえます。
……うん、聞こえるだけ。私は一体何なのか、それすらも分からない。
体はあるのかな?動くのかな?

――うーん、ダメですね。動きません。
何も見えないし、ただただ音が聞こえるだけみたいです。


「ふっ……そろそろ入ってきたらどうかしら。お二人さん?」

また声が聞こえました。
さっきから澄ましているこの声は……一体誰だったかなぁ。


「まったく、あんたも目ざといわね。あんたらが出て行った後でゆっくりして行こうと思ってたのに」
「全くだ。私は、この後でゆっくり図書館に行こうと思ってたのにさ」


この声は……


「あらあら、それは御免なさいね。紅魔館のメイド長として、侵入者を見過ごす事はできないのでね。――って霊夢は、その格好どうしたのかしら?」

「…………!!!!」

「ああ、これはだな。サンに負けた罰ゲームなんだ。負けたから黒。香霖堂の墨汁で真っ黒に染めたんだ、よく似合ってるだろ?」


墨汁で真っ黒ですか。それは大変です。
実は申し訳ないことをしたのかな……私。


「それにしても、まだサンは起きないんだな。もうあれからかなり時間が経ってる。まさか、もう起きないんじゃないだろうな?それだと、霊夢は永遠に真っ黒なんだが」

「――まったく、この子のせいで、毎日寝覚めが悪いったらありゃしないわ!あんな事にムキになっちゃって……本当馬鹿らしいわ」

「寝覚めが悪いのは何時ものことでなくて?それに貴方も、随分ムキになっていたわよ」

「はは、違いないぜ」


聞き覚えのある笑い声……でも思い出せない……あれ……?
サン……?サン?それは私の名前……だったっけ?

私は……私は……?


「随分と賑やかだと思ったら、真昼間から2匹も真っ黒なネズミがいるなんてね……これはどういうことかしら?咲夜」


あ……この声。


「申し訳ありません。お嬢様。後で美鈴には厳しく言っておきますわ」

「……ふん、それならあんたも一緒に真っ黒にしてあげても良いんだけど、どうかしらね?」

「やめておくわ。それより、サンはまだ起きないのね」


「…………」

「はい、永遠亭の八意永琳が言うには、体中のエネルギーを使い切ってしまったことが原因なので、エネルギーが戻れば自然と気が付く、そうなのですが――」

「……違うわね」


低い……低い声。目には見えなくても、何か力のこもった感じが――ああっ!!!!

どすん、と全身に重い衝撃が……あぁ……いっ……

「いたい……」


「ちょっ、あんた何やってんのよ!?」
「う、うわぁ……本気でやりやがったぜ……」


「うっ……ううう……」
痛い……痛いです。ゴホゴホと痛みを外へ出すように咳き込みます。
そして、うっすらと目を開くと、そこには――

「ほら、目が覚めたでしょ?貴方はまだ、やらなくちゃいけないことが沢山あるんだから、何時までも寝ている場合じゃないのよ?」

幼いけれどとても綺麗で凛々しい顔……どこか懐かしい。

「ほら、さっさと行きなさい。でないと、もう一発叩き込むわよ?次は永遠に目覚めることが出来ないようなすごいやつなんだから」

「はっ、はいっ!!」

何が何だか分かりませんが、とにかく、逃げるように走り出します。
でも……これから一体、どうしたら良いのでしょうか?
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by metal-animal | 2010-02-27 22:28 | 東方幻想入り小説 | Comments(0)
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