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ドロップティアーズ その3

metal-animal製作の軽めのノベル、言うなればライトノベルです。
初めての作品なので、まだまだ至らない点があります。
興味があったり、PCを使いながらのおつまみのおかずに困った時はどうぞ。
感想等があれば気軽にコメント下さい。



休み前の金曜の夜、学校から帰宅した帝斗は1人自分の家でくつろいでいた。
この家は大学へ通う際に親戚から借りたもので、とても小さいが1人暮らしの学生には丁度良いくらいである。
さて、そんな中でくつろいでいると「ピンポーン♪」とインターホンが聞こえた。
人付き合いの煩わしさから、訪ねてくる人間はほとんどいないので、こういう時は借金の取立てだったり、宗教や新聞の勧誘じゃないかとちょっと怖かったりする。
とはいえ、居留守をできるような状況でもないので、「はいはーい!」と愛想良く扉を開ける。
すると、そこには1人の少女が立っていた。
少女は派手で奇抜・・・金と緑と白色の並んだ髪に虹色のアンバランスな服を纏っていた。
そして、その何よりも目に付いたのが後ろに広げている蝶の様な羽と頭から生えている2本の触角だった。


この羽が目に入ってしまい、帝斗はちょっと唖然とした後で我に返り、至近距離で蜂の群がる蜂の巣を見たような顔で腰を落としてあとずさった。
そんな帝斗に戸惑いながら少女は「あの・・・すいません」と声を掛けるが、
パニックに陥った帝斗には届かない。
「な・・・何だ・・・お前は・・・」明らかに怖がっている・・・この状況を理解した少女は、
羽をばたつかせ光の粉を振りまいた。
その粉に包まれると帝斗の心は静まり、とてもリラックスした気分になった。
そんな帝斗の様子を見ると、少女は自分についての説明を始めた。


帝斗の前に触覚と蝶のような羽を生やした少女が現れてから30分ほどが経った。
自分は昼間に蜘蛛の巣に掛かっていた蝶であること、
助けてもらったお礼に恩返しがしたいが為に来たことを少女は話してきた。
うーむ、ちょっとは期待したが、まさか本当になってしまうとは・・・。
さて・・・ここからが本題なのだが、この少女は恩返しに1つだけ願いを叶えてくれるらしい。
しかし、願いを聞くまでは梃子でも帰らないらしい。
嬉しいような迷惑なような・・・なんとも微妙な話である。
しかも、お金や生死といった問題が起こるような事はダメというお約束つき。
とりあえず「ゲームを上手くしてくれ」や「運を良くしてくれ」といった妥協案を出してみたが、
ことごとく「それはちょっと・・・」と却下された。
何を出してもこの反応、一体何ができるのだろうか・・・。
「うーん、じゃあ帰ってくれ ってのは駄目?」と飽きてきた帝斗が言うと、
「えぇー、良いわけないじゃあいですか~」と少女は目を潤ませながら返答した。
正直一体何ができるのか分からない、何を言ってもダメだと言う。
コイツ実は居座りたいだけなんじゃ・・・と思ったが、蜘蛛から助けた事を考えるとそういう目的はないようだが・・・。


そんな事を思いながら、ふと時計をみるともう23時を過ぎていた。
何だかんだ話している内に数時間が経ってしまったらしい。
「あぁ、もうこんな時間だし、今日はここまでにして明日にでも続きをしようか」と切り出し
「寝るのはあっちでいいかな?」と何気なく聞いてみると、
「そうですね、ありがとうございます」と答えてきた。
やっぱりか・・・そう思いながら帝斗は布団の準備を始めた。
一応、雨の日に仕舞い損ねた時などの為に布団には予備があった。
今まで1度も使った事はなく、まさかこんな事で使う事になるとは夢にも思わなかった。
「そういえば、名前は何ていうの?」と布団を敷きながら聞くと、
少女は「あぁ、私はラフェン って言います」と答えた。

その4に続きます。
勘違いによる事情で一部修正しました^^;
by metal-animal | 2008-11-15 22:57 | Comments(1)
Commented by metal-animal at 2009-02-04 23:51
感想ありがとうございます。
自分もまだまだ未熟で自分でも納得できていない部分もかなり多いです。
でも、勉強を重ねる事で確実に成長してきている事が実感できているんですよ、だからどんなに辛い事があっても諦めずに筆を握って決めています。

最後に、楽しみにして下さっていて本当にありがとうございますm(--)m
人生初めての作品の初めての完結になりますので、思いに耽ると色々ありますが、それは全てが完結してからですね^^; 気が早い(

まだまだどうなるかは分かりませんが、最後までお付き合い頂けると幸いです。
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