metal-animalの自作小説その11です。
今回で11回目です。 どうでも良い話ですが、キャラクターの名前のネタでも・・・。 木亜 帝斗:名字はキーボードを適当に押して出たものを変換、帝斗は帝国首都より。 ラフェン:ポケモンより、チコリータにつけたニックネーム。あちらではラ・フェンだった。 ○ュラ○:ポケモンより、アーマルドにつけたニックネーム。アーマルドとの関係はない( (ネタバレ回避の為、伏字にしてます) 俺の小説では、主にポケモンに付けたニックネームが主体になります。 ポケモンのニックネームは108式・・・もないですが、尽きない限りはこれで( 夏の明るい夕方の中、倒れたラフェンを抱え、帝斗とシュラウは帝斗の家へと向かった。 そこで帝斗はラフェンとの出会い、そして今までの経緯をシュラウに説明した。 「ふーん、なるほどねぇ・・・あの子、物事を誤魔化す事に関しては頭が回るのよね、どう見てもバレバレなんだけど」 呆れながらに苦笑を浮べ、布団の上で横になっているラフェンをシュラウは眺めていた。 「そういえば、あなたは私たちのことをどこまで知ってるのかな?」 シュラウはラフェンから帝斗に視線を移し問いかけた。 「うーん、この世界とは別の世界の人(?)だろう・・・という所かな、それ以外はさっぱりだよ」 「そうかぁ・・・じゃぁ簡単に紹介しておこうかしらねぇ」 人差し指を顎元にあてて、シュラウは宙を眺めるように話し出した。 「あぁ、そうそう、今更だけど私の名前はシュラウね、一応あの子とは親友・・・でね」 少し寂しそうな表情を浮かべた後で、シュラウは色魔界のこと、その世界で自分達が暮らしていた黄緑の国のこと、そしてラフェンと自分との関係を説明してくれた。 「分かってくれたかな・・・というより、信じてる?」 「色魔界の黄緑の国から、行方不明になったラフェンを追って外の世界・・・つまりこの世界に来たんだよね、うん分かったよ」 特に疑うような様子がない事から、目の前の少年は自分の話を信じているのだろう。 シュラウは一安心する、対する帝斗も日常離れしたラフェンやシュラウを目の当たりにして非常識な現実をそのまま受け入れる事ができたのだ。 「それでラフェンは大丈夫なのか?気を失ったままだけど」 「あぁ、これは緑気の縛りを使った影響ね」 「緑気の縛り?」 先ほどの話には出てこなかった言葉だ・・・しかし縛りという点には心当たりがある。 「そう、あなたの動きを止めた術・・・あれのことよ」 緑気の縛り、それは黄緑の国に伝わる術の一つで、木々や草花といった自然の植物が出している気に自分の気を混ぜる事で、その気を自由に操る事ができる術である。 この術の場合においては、その気を相手の身体の周りに集める事で相手の動きを封じる・・・といった所だ。 他にも攻撃の意思を込めた気を混ぜる事で、相手を攻撃といった使い方もあるのだが、 それはまた別のお話で見る事があるかもしれない。 「植物が出す緑気に自分の気を混ぜるから、消耗は避けられない訳でね、 まぁ、と・て・も無理をしない限りは死ぬような術じゃないわ」 それを聞いた帝斗は安堵の表情を浮かべた、その半面で自分がした事でラフェンに辛い思いをさせてしまった事が悔しかった。 「それにしても、緑気の縛り・・・か」 シュラウが宙を眺めながらポツリと呟いた。 シュラウの頭には、ラフェンと過ごした日々が浮かび上がっていた。 その中の彼女は、緑気を操ろうと必死だった。 でも、何処か間が抜けていて思わず笑い出しそうなおかしいミスを繰り返していた。 その間抜けさ加減が如何にも彼女らしい、そう思っていたので特には気に留めていなかったのだ。 そんな彼女が緑気の縛りを使っていた。 やはり彼女はそれを悔やんでいたのだろう。 緑気を操る事は自分にもできる。 しかし、自分は緑気の縛りを使う事はできない。 緑気を応用して相手の動きを封じたりするには、かなりの技術が必要なのだ。 それをあの時の彼女が多少の努力で使えるようになるのは全くあり得ない。 (はぁ・・・ごめんね、ラフェン・・・気がつけなくて) シュラウは再びラフェンに視線を移す。早く目を覚まして欲しい・・・そう祈るように。
by metal-animal
| 2009-01-10 22:16
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