metal-animalの自作小説の13話です。
さて、今回より1話に1つ挿絵ペースで進めます。 ・・・と思い挿絵を描いていて、自分の画力のなさを思い知りました。 思ったとおりに物を描けない・・・これが画力かorz 何にしても想像殺し(イメージブレイカー)な挿絵ですが、絶対にもっと腕を挙げますので、 どうぞ宜しくお願いします。 ラフェンが目を覚ました頃、帝斗とシュラウは近くのコンビニまで買い物に出ていた。 昼には街に出ていたものの、服や漫画の事ばかりを考えていた為、食料品には手を付けていなかったのだ。 「うーん、ラフェンを残してきて良かったのかな?」 「大丈夫、大丈夫!多分目覚めてないわよ!」 やけにあっさり・・・声を大らかに笑いながら答えるシュラウを見てちょっと不安を覚える帝斗だったが・・・ 「ハハ・・・まぁ、目覚めてて欲しいんだけどね。でもね・・・ちょっと気分転換したかったんだよ」 先ほどの豪快な笑顔が一転、何処か寂しげな様子に変化した彼女を見て、本当にラフェンの事を想っているのだろうな・・・と改めて実感したのだった。 「こっちの世界の事はあまり分からないからね!見るもの全てが新鮮でさぁ♪」 帝斗の前に躍り出るとくるりと踊るようにシュラウは言った。 表情も一回りしている間に、寂しげな表情から楽しげな笑顔へと変化していた。 「へぇ、あまりって事は少しは知ってるんだ?」 「黄緑の国の図書館にはね、外の世界についての本があってさ、これが結構面白いのよ」 「へ・・・へぇ、そうなんだ」 何故そんな物が、異世界に存在するのか気になった帝斗だったが、それは敢えて聞かない事にした、それよりもラフェンの事が気になったのだ。 「そういえば、どうしてラフェンはこっちの世界に来たのかな?」 帝斗は自分が一番気になっている事を思い切ってシュラウに聞いてみた。 あの日、偶然にラフェンを蜘蛛の巣から助け、その恩返しとして願いを叶えてくれる・・・ 結果的にそれはラフェンのついた嘘のようだったが、結局の所、何故ラフェンがこちらの世界に来たのかまでは知らない。 「こればっかりは100%とは言い切れないんだけど・・・あの子、自分が嫌になったんだね」 「自分が嫌に・・・?」 「そう、あの子は、黄緑の国じゃあまり出来る子じゃなくってさ、何をやっても失敗ばかり」 「だから、そんな自分に嫌気が差して、こっちの世界に逃げ込んだんだと思う」 「その事に気が付いたのもついさっきでさ・・・あたし、あの子の親友であの子の事なら何でも知ってるはずだったのに・・・」 「そんな肝心な事に気が付いてあげられなかったなんてホント親友失格だよね・・・・・・」 声を震わせながら話すシュラウの顔を涙が一筋の線を描き、頬を伝って地面に落ちた。 「うん、君はちゃんとラフェンの事を想ってる・・・だから大丈夫。ラフェンもきっと君の事を想っているよ」 「今はお互いに気持ちがつながっていないだろうけど、ラフェンが目を覚ましたら、きっちり気持ちをつなげよう・・・俺も協力するからさ」 シュラウの小さな肩に手を置き、帝斗は優しくシュラウをなぐさめた。
by metal-animal
| 2009-01-24 22:03
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