東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。 特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、 そこの所を宜しくお願いします 「入りなさい」 大きな扉の中から声が聞えた。 子供の声・・・・・・?だろうか、先程まで聞いていた銀髪の女性の声とは明らかに高く幼い声だった。 それを聞くや否や銀髪の女性は大きな扉を静かに、静かに開いた。 大きな扉が開かれていく。 この先には何が待っているのだろう。 私は不安とともに何か希望のような期待を抱いていた。 扉が開いていくに連れて胸の内には恐怖心が募っていく、まだ死にはたくはない。 その一方で、この先には新しい世界が・・・・・・新しい生があるのではないかと私は思う。 死と生、相反する事象が確実にこの先に待ち構えている。 そう感じると私はとたんに気持ちが悪くなった。 心臓の鼓動が身体を大きく揺らしている。とても苦しい。 扉が開ききる前に、私は死んでしまうかもしれない、そんな気さえする。 私は胸を押さえつつ、開きつつある扉を・・・・・・銀髪の女性を見つめていた。 そして扉は開いた。 気分は悪く胸も苦しいままだが、私は何とか生きている。 だが、本番はここからだ・・・・・・扉の先にいるものが私に与えてくれるもの、 生か・・・・・・それとも死か。 その一心で私は開いた扉の先を見て愕然とした。 少女・・・・・・いや、少女よりも幼いだろう。 薄く赤いドレスのような服に赤いリボンの付いた帽子を被っているその少女は年齢を10満たしているかいないか、それほどだった。 そんな少女が部屋の奥の玉座に膝を組んでは座っていたのだ。 「ふふ、おはよう、良く眠れたかしら?」 少女が語りかけてきた。 私は我に返り、目を擦った上で改めて少女を見る。 そこには、やはり、赤いドレスを着た少女がいる。 その横には、いつの間にか銀髪の女性が仕えるように立っている。 先程まで扉の前に・・・・・・私のすぐ横に居た筈なのにどうして・・・・・・。 私が怪訝そうな顔をしていると、少女は面白そうなものを見る顔でこちらを見た。 「あらあら、私に見惚れて声も出ないのかしら?それとも咲夜が意地悪でもしたのかしら?」 少女はニヤニヤと不敵に笑いながら咲夜と呼んだ銀髪の女性に目を向ける。 咲夜と呼ばれた銀髪の女性は、少女の視線を受けると何処からともなく ティーカップとポットの乗ったトレーを取り出し、さっとティーカップに赤い液体を注ぐと少女に丁寧に手渡した。 少女は赤い液体の入ったティーカップを受け取ると、上品に小さな唇を付け、ティーカップを銀髪の女性に返した。 「さて・・・・・・本題だけど、今日から貴方には、ここで働いて貰うわ」 「なっ!!」 突然に少女が言い出した話に私はとても驚いた。 その提案は、先程の『死と生』に当てはめるならば『生』であろう。 しかし、その理不尽な要求に納得する事は、いくら今の私でも到底できない。 少女は、そんな私の気持ちを分かりきっているようにニヤニヤと笑っている。 「ふふ・・・・・・不満そうね、なら私の目を見てみなさい」 私は言われるままに、ニヤついて細くなっている少女の赤い眼を見てしまった。 そこには・・・・・・ そこには巨大な少女、いや美しく成長した先程の少女が居た。 歳は一気に20歳といった所だろうか、平らだった胸は(それなりに)大きくなり、小さかった身長もすらりと大きくなっている。 美しい・・・・・・その一言しか出なかった。 この世界に彼女以上に美しい女性はいないだろう、その姿はまさしく女神・・・・・・というべきだろう。 「それは違うわね」 不意に目の前の彼女が話しかけてきた。 「私は神なんかではないわ、悪魔・・・・・・よ」 「悪魔・・・・・・?」 「そう悪魔、赤い悪魔、スカーレット・デビル」 「スカーレット・・・・・・デビル」 私は彼女の言葉を繰り返していた、正確には、彼女に見惚れていたと言うべきだろうか。 それほどまでに、私は彼女に心を惹かれていた。 私は、彼女にとって全てでありたい・・・・・・そう思うほどに。 「貴方に今までの過去は一切必要ない。貴方は今から、終夜サン・・・・・・終夜サンよ」 「終夜サン・・・・・・」 「そう、それが貴方の名前、さぁ、もういいわね」 女性がパンと手を叩く。 すると音と共に空間が揺れる。私は一瞬意識を失ったように感じた。 ・・・・・・目の前には、10に満たない少女と銀髪の女性がいる。 美しかった女性も今や少女に戻り、先程と何ら変わってはいない。 変わっていたとすれば、それは私の心の方だろう。 今の私の心は、目の前の少女への想いで一杯になっていたのだ。 少女は相も変わらずニヤニヤと笑っているが、今の私は一切それが不快には感じられなかった。 「さぁ、もう夜が明けるわ、私はそろそろ休むけど、後は咲夜お願いね」 少女は、ふあぁと一つ欠伸をかくと、小さい歩幅でテクテクと歩き出した。 そして何かを思い出したようにさっと振り返ると、 「あぁ、そうそう、私の名前はレミリア、レミリア・スカーレットよ、宜しくね、サン」 それだけ告げると再び扉に向かって歩を進め、そして見えなくなった。
by metal-animal
| 2009-04-24 22:31
| 東方幻想入り小説
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Comments(2)
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ネイムレス
at 2009-06-21 22:17
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とりあえず一章まで読ませていただきました。
不思議な体験、以後どうなるのやら、と言った感じですね。 それから多分誤字てでは無いかと思われるものを発見しました。 勘違いであったら申し訳ないです。 >そんな少女が部屋の置くの玉座に膝を組んでは座っていたのだ。 さて、二章も楽しませていただきますね。
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metal-animal at 2009-06-22 18:28
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