東方小説 2章その1

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします

あとがき
全体的に変えようか変えまいかギリギリまで悩みました。
とはいえ、当初から考えていたとおりの方向でいきます。
変えても変えなくても話の流れ自体は変わりませんです、うん。
変わるのは・・・まぁ、その内に分かる事でしょう。






そうして紅魔館で働く事になり、数ヶ月の月日が経った。
数ヶ月・・・・・・とはいったものの、実際にはどれくらいの日数が経ったかは分からない。
もしかしたら3ヶ月経っているのかもしれないし、1ヶ月だけなのかもしれない。

あの日、どういった訳か、紅い悪魔の根城『紅魔館』で目覚めそこで働く事になった。
そこにどういった経緯や意味があったのかは未だに分からない。
しかし、幾らの時が過ぎようとも、どういった経緯や意味があろうとも、
今の私にとってはどうでも良い事だった。

あの方の為に・・・・・・私の心を射止めそして支配してしまった悪魔レミリア・スカーレットお嬢様の為、私は全てを捧げると心に誓ったのだから。


さて、あれからの私は、毎日のように紅魔館の掃除を執り行っていた。
紅魔館には無数の妖精がメイドとして働いているようだったが、
彼等は総じて役には立っていない。
まるで働かない蟻のように、意味もなくあちらこちらを動き回っているだけ・・・・・・。

実質的に紅魔館で働いているのは、私と銀髪の女性の十六夜咲夜さんだけだろう。
銀髪の女性、十六夜咲夜は紅魔館のメイドの長であり、私を含めた紅魔館のメイドを総括している。
彼女のやる事は全てが完璧であり、私も常々舌を巻いている・・・。
そんな彼女は、いつもレミリアお嬢様の近くで彼女の世話をしているのだ。

あぁ、私も彼女のようにレミリアお嬢様の近くに居たい・・・・・・幾度となくそう思ったものだ。
しかし、私は彼女と代わることなど不可能だろう。
彼女は何やら不思議な力を持っている・・・・・・そう、レミリアお嬢様に尽くすのに相応しい力を。

私は、これが不安に思えて仕方がなかった。
私は、レミリアお嬢様の為に全てを捧げる覚悟すら持っている・・・・・・いや、それだけなら十六夜咲夜も同じだろう。
最も畏れているもの・・・・・・それは捨てられる事。

先にも述べたとおり、紅魔館に私が招かれた理由は一切不明である。
何か意味があるのかもしれないし、単なるきまぐれかもしれない。
だから、余計に怖かった。


そんな想いを小さな胸の内に秘めていたある日、私は十六夜咲夜さんに呼び出された。
何の話だろうか内心びくびくしながら私は彼女の部屋をノックする。
トントン と扉を叩く音が響くと「どうぞ」と声がした。
私は静かにゆっくりと扉を開け、そして閉じると、部屋の中央にいる十六夜咲夜さんに目をやった。

彼女は、椅子に座りながら机に並べられたナイフをハンカチで磨いている。
磨き終えたナイフの銀色が眩く私を照らしている。
私は若干に目を細める。このナイフが意味するもの・・・・・・それは死であるかもしれない。
そう察すると、身体の至る所に冷たいものを感じた。
まるで全身にナイフが突きつけられているような感覚・・・・・・それが正確だろう。

思えば、彼女に初めて会った時もそうだった・・・私は彼女のナイフに怯えていたものだ。
あれから一緒に働いている内に多少は打ち解けている所もあった。
次第に彼女への恐怖心も消えていったと思っていたが・・・・・・結局私は、あの時と何も変わってはいなかったのだろう。

カタン 私は不意の物音に細めていた目を開く。
これは、十六夜咲夜さんが磨いていたナイフを机に置いた音だった。
ナイフを拭っていたハンカチを机に置き、一息つくと彼女は言った。
「・・・・・・怖いのね?」
私のまゆがピクリと動く。
「図星か・・・・・・安心なさい。私は貴方を殺したりはしませんわ」
その言葉に多少は救われた。目の前に並べられたナイフは依然に脅威だが・・・・・・。
そして今度は私が口を開く。
「では、一体どういった御用なのですか?」
恐る恐る・・・・・・ライオンにでも口を聞くように話しかける。
そんな私の様子を見かねてか、呆れたように十六夜咲夜さんは言った。
「貴方はやはり人間ね・・・・・・まぁ私も人間だけれども」
人間・・・・・・そう彼女は人間だった。
私は右手を握り締める。

十六夜咲夜さんは、ちょっと視線を落とした後でこう言った。
「そんな貴方には、今日からしばらく門で働いてもらいます」
門・・・・・・そういえば、紅魔館は城門のような壁で囲われている。
館の正面には大きな門があり、そこには門番のような人影が動いているのを見たことがある。

「その・・・・・・門での仕事と言うのはどういったものなのですか?」
「そうね、門番のお手伝いといった所かしら。美鈴はいつも一人で頑張っているからお手伝いが必要なのよ。それに今の貴方には美鈴と仕事をするのが一番為になる」
十六夜咲夜さんはそう言ったものの、これは単なる左遷では・・・・・・。
「左遷じゃないわよ?」
「・・・・・・えっ!」
口にも出していないのに言い返されてしまった。
私は苦笑隠しつつ不思議そうな顔で十六夜咲夜さんを見る。
「ふふ、貴方は考えている事がすぐに顔に出るから丸解かりですわ」
なるほど、そういう事だったのか・・・・・・。
「貴方にはちゃんと門での仕事が終わったら、館の掃除に戻ってもらいますから安心なさい。メイドを総括するメイド長として、門での仕事にはちゃんと意味を持たせてあります」


門での仕事の意味・・・・・・私には、その意味は分からなかった。
しかし、全てにおいて完璧な十六夜咲夜さんの事だ、そこには間違いのない確固した意味があるのだろう。
「・・・・・・分かりました」
「話はそれだけですわ。さぁ、さっそく門へ案内しましょう。美鈴に貴方を紹介します」
そう言うとあの日のように、私は十六夜咲夜さんの後ろを歩き門へと向かった。
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by metal-animal | 2009-04-28 22:36 | 東方幻想入り小説 | Comments(2)
Commented by kujoh_ryu at 2009-04-30 04:59
初めまして、大雑把な玖条柳です。今後ともよろしくお願いいたします。

紅魔館に住みたいなぁという私の願望を反映したかのようで楽しく拝読させて頂きました。
……や、なぜか過去形だけど私はこれからも伺いますよ?
中ごk……美鈴フラグも立ち、そこにどんな意味が生まれるのか。この先も楽しみです。
同じくらい住みたい場所である博麗神社を中心に私も書こうと思います。……今は、思っただけ!←
Commented by metal-animal at 2009-04-30 23:13
こんばんは。
楽しんでいただけたようで何よりですw
大好きな東方で紅魔館ですから、書いていてとても楽しいですよ。
美鈴はとても良い人(妖怪)です。
他では色々とあんまりな役回りが多いですけど、俺の書いている美鈴はそれだけに本当に強いのです。

はてさて、中身についてはここまでにして、自分が好きな物を書くというのは本当に楽しいので玖条柳さんも手を付ける時が来たらこの楽しさを感じて欲しいなぁと思いますねw
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