東方小説 2章その5

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします






弾幕修行 16日目

正確には15日目で書くべきですが、敢えて16日目になります。
弾幕修行の小休止だった昨日は、めいりんししょうが自慢の中華料理を振舞ってくれる事になりました。緑のチャイナ服に星の飾りの付いた人民帽と中華風な見た目のめいりんししょうはさぞ美味しい中華料理が作れるのでしょう。私はめいりんししょうが好きでしたので、この料理はとても楽しみでしょうがありませんでした。


しかし、門には調理場はなく料理を作るには紅魔館の調理場を使わなければなりませんでした。つまり、めいりんししょうが料理を作りに行けば、門ががら空きになってしまうのです。
そこでめいりんししょうは、他ならないこの私に自分が料理を用意している間、代わりに門番をしていて欲しいと提案しました。
勿論、私はめいりんししょうお願いなので快く快諾しましたよ。

しかし、万が一何かあったときはどうすれば良いのでしょうか?
少し不安になった私は、めいりんししょうに聞いてみました。すると・・・・・・
「大丈夫ですって!きっと何もないですよ。あっ、でも何かあったら大声で呼んでくださいね!」
それだけ言うと、めいりんししょうは兎のようにピョンピョンとスキップをしながら紅魔館の中へと入っていきました。それはもう軽やかなステップでしたよ。


めいりんししょうが戻ってくるまでは、かなりの間がありました。
ただひたすらに門の前で番をしているのは、思った通りに退屈なものです。
今なら、めいりんししょうの私への態度も十分以上に理解できますね。ええ。

そう思っていると、不意に目の前に人影が現れました。
「ふあ・・・・・・あ!何奴!?」欠伸の途中でしたが、私は身構えました。
「おいおい、私は『何奴』なんて名前じゃないぜ」
目の前の人影はおちゃらけたような声で答えました。
私は目を良く擦った後で、目の前の人影を睨みます。凝視します。
・・・・・・その人影は、白と黒の・・・・・・魔法使いでした。

いきなり魔法使いと思うのもどうかと思いますが、その人影は間違いなく魔法使いでした。
白いエプロンの付いたスカートに、長い金髪、その頭の上には白いリボンの付いたとんがり帽子が乗っかっています。
そして右手には柄の長い箒が地面に突き立てられる格好で握られているではありませんか。
その姿は、まごうことなき魔法使いです。

私も幼いときは、彼女のような存在に憧れていたものです。
そんな憧れの目で彼女を見ていると魔法使いの彼女は言いました。

「ありゃ、今日は美鈴はいないのか?・・・・・・あぁ、お前が美鈴の代わりなのか・・・・・・とすると、いよいよ美鈴は死んだ訳か、なんまんだぶなんまんだぶ」
魔法使いの彼女は愉快そうに笑っています。
そんな彼女の様子に、私は頬を膨らませて言いました。

「違います!めいりんししょうは、ちょっと私用で紅魔館の中にいるんです!というか、貴方は一体なんなんですか!?」
「おおぅ、まさか幻想郷で私の名前を知らない奴がいるとは驚きだ。そうだな・・・・・・私はアリス、アリス・マーガトロイドってんだ。通称『七色の魔法使い』で今日も紅魔館で人形劇をやるべく遠路はるばるやってきたんだ」
「へぇ、そうなんですかぁ」

七色の魔法使い・・・・・・しかし、見た目はどうしても白と黒の二色しかないのですが、
きっとそれは相手の意表を突く為なのでしょう。流石に魔法使いです。

「・・・・・・という訳で、通っても良いよな?」
「はい、どうぞ!」

できればサインでも欲しかった私ですが、ここは我慢して憧れの白と黒の魔法使いを見送ります。快く見送ります。


それから30分ほどして、ようやくめいりんししょうが戻ってきました。
その後ろには、色とりどりの料理をの乗ったお皿を持った妖精メイドが列を作っています。
料理を持った妖精メイドとは、まだ結構な距離がありましたが、その美味しそうなにおいは私の元まで届いていました。

「お待たせしましたー、サンさん!いやぁ、久しぶりに頑張っちゃいましたよー、やっぱ料理は楽しいなぁ!」
めいりんししょうは右手で後頭部を掻きながら満面の笑みを浮かべています。
余程に門番以外の・・・・・・料理をする事が嬉しかったのでしょう。今し方まで門番の仕事をしていた私にはとても良く分かりました。
それと同時に、(こんな退屈な)門番の仕事を続けてきためいりんししょうはやっぱりすごい・・・・・・と心の底から尊敬してしまいましたよ。

「さぁ、サンさん、冷めないうちに美味しく頂きますよー!!」
めいりんししょうが合図を送ると妖精メイドは、門の近くの簡単な机の上に持ってきた料理を次々とそれでいて綺麗に置いていきました。
チャーハンに肉まん、それに麻婆豆腐・・・・・・。本当に美味しそうです。

「あ、そういえば門の番をしている間に変わった事はありませんでしたか?」
めいりんししょうは料理を前に何気ない声で私に問いかけました。
その問いかけで私の頭には、あの白と黒の七色の魔法使いの姿が浮かび上がりましたので、私は、その魔法使いの事をめいりんししょうに話しました。
するとめいりんししょうは「ええっ!!」と驚いたように反応しました。そして・・・・・・

「そ、それで・・・・・・その白と黒で金髪の魔法使いは、アリス・マーガトロイドって名乗ったんですか!?」
「は、はい・・・・・・そうですけど・・・・・・」

それを聞いためいりんししょうは、大きく溜息をつき、肩を落としました。
いまいち、私には状況が分かりません。一体その七色の魔法使いがどうしたのか・・・・・・。
私がきょとんとしていると、めいりんししょうが私の肩へ両手を置いて、溜息混じりに話しました。

「あのですね・・・・・・あの白と黒の魔法使いは、霧雨魔理沙って言いましてね、一応・・・・・・パチュリー様やレミリアお嬢様と知り合いなんですけど、嘘をついたり、図書館の本を借りたまま返さなかったり・・・・・・最悪、マスタースパークっていう破壊光線で館を壊したりする要注意人物なんですよ」
「は・・・・・・はぁ」
「私もあいつとやり合う度に黒コゲでしてね・・・・・・その度に咲夜さんには怒られるし・・・・・・本当にあいつは嫌な奴ですよ・・・・・・」

めいりんししょうは、ポケットからハンカチを取り出しては、流れる涙を拭いています。マジ泣きのようです。
同じくして、私の目からも涙がこぼれます。

白と黒の二色しかない癖に七色の魔法使いと名乗った不振人物を見抜けなかった事、そしてその事でめいりんししょうが咲夜さんに怒られてしまう事(もっとも、私も一緒に怒られると思いますが・・・・・・)これらを考えると、私は本当に情けなく思えてしまうのです。

「はは・・・・・・サンさん、過ぎたことを考えてもしょうがないです。せっかくの料理もある事ですし、早く美味しくいただきましょう」

めいりんししょうは、一思いに涙を拭うと、雨が上がった後の青空のような笑顔で私を慰めてくれました。
私も何時までもくよくよとしている訳にも行きません。
レミリアお嬢様の為に・・・・・・めいりんししょうの為に、私は絶対に強くならなくてはいけないのです。
そう強く・・・・・・強く、心に強く誓いました。今のこの瞬間に・・・・・・。


そうして私とめいりんししょうは、めいりんししょうの自慢の中華料理をお腹一杯に頂きましたとさ。

めでたしめでたし


・・・・・・と行きたい所でしたが、話しはこれで終わりではありませんでした。
私とめいりんししょうが料理を食べ終わり、二人仲良く手を合わせて「ごちそうさま!」と言った瞬間、紅魔館の一部が爆発したのです。

爆音と主に埃が舞い上がり、爆発した箇所は見えません。
何事かと私とめいりんししょうは席を立ちましたが、その直後・・・・・・
箒にまたがった白と黒の魔法使い『霧雨魔理沙』が砂埃の中から飛び出しました。
霧雨魔理沙は、私の方を一目見ると、ニッと笑顔を見せ、そのまま紅魔館の外へと猛スピードで飛んでいってしまいました。

私とめいりんししょうは、呆然と事態を静観していましたが、やがて紅魔館の中から咲夜さんが現れ、説教とげんこつをくらいましたとさ。

めでたしめでたし


・・・・・・と行きたい所ですが・・・・・・って、これは2度目ですね、すいません。
さて、この話には後日談があります。
というのも、これは15日の出来事を16日目として書いたのと関係がありまして・・・・・・
まぁ、何かと言いますと、16日目は霧雨魔理沙が爆破した部分の修復作業に費やしたのです。
被害は余り大きくなく、いくらかの妖精メイド+私で何とか1日で修復できました。
そして、めいりんししょうは、門を空ける訳にはいかないので、いつも通りに門番をしていましたとさ。

今度こそ、めでたしめでたし・・・・・・でしょうかね。
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by metal-animal | 2009-05-22 22:15 | 東方幻想入り小説 | Comments(4)
Commented by 兎と亀マスク at 2009-05-26 01:50 x
二段オチを上回る三段オチ!!いかにも東方らしい明るい雰囲気の、いい意味でドタバタした話で楽しめました。
サンも、もうすっかり美鈴と一緒に門番やっている姿が板についてきましたねー。まだまだ一人前、とはいかないみたいですが(汗)。

ついにサンと魔理沙との出会い!息をするように嘘をつく魔理沙が実に彼女らしいです。うーん、やっぱり初対面では、圧倒的に経験不足なサンは魔理沙に丸め込まれてしまいましたね(汗)。
そこそこの被害が出たわりには、咲夜さんの説教とげんこつで済んだのはまだラッキーなほうかも。

紅魔館以外のメンバーも出てきて、どんどん話が進んでいますね、続きも楽しみにしています~。
Commented by metal-animal at 2009-05-26 23:00
>兎と亀マスクさん
楽しんで貰ったようで何よりです。
俺としても、この部分は書いていて楽しかったですよ。
そして、魔理沙のアリスネタは個人的に気に入っています(笑

現状では2章も終わり、3章の構成で四苦八苦していますが、
本日に良いアイディアが浮かびようやく筆が進みそうです。
色々と壮大な考えが色々とありますが、何より幻想入り作品のように途中で終わる事のないよう、東方愛を持って最後まで・・・自分が考えているエンディングまで持って行きたいですね。
Commented by ネイムレス at 2009-06-22 04:39 x
メーリンがこんなに普通に活躍する話が珍しいと思ってしまうのは、少し悲しいことですね。
それでもかなり楽しませていただきました。まるで原作のキャラがそのまま動いているようで、ゲーム画面が頭に浮かんできそうです。

>妖精めどは
>私も一緒に起こられると
 作文をしていると、どうしてもこういうのに気が付けなかったりしますよね。
私も悲しいほどに誤字が出ます。誰か助けて。
Commented by metal-animal at 2009-06-22 18:47
>ネイムレスさん
美鈴に限らずやぱり東方の二次創作としては、やっぱり東方キャラを活躍させてやらないとって思って書いていますよ、うん。
原作に近い形で楽しんでいただけたようで、何よりも嬉しく思います。


誤字の方は修正しました。
書き終えた頃には疲れちゃっていて、タイプミスの確認が疎かになっています。これからはちょっと確認していきます、うん。
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