東方小説 2章その9

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします。






私が目を覚ますと、そこは紅魔館の私の自室でした。
この自室はそう・・・・・・私が紅魔館で最初に目覚めたあの部屋なのです。
部屋の内装は、咲夜さんに頼んで付けて貰ったレミリアお嬢様の肖像画が1枚飾ってある以外は特に手を付けてはいません。
そう、レミリアお嬢様の肖像画がある以外はあの日あの時のまま・・・・・・
ランプの火だけが煌々と部屋の中を照らしています。

私はベッドの中から、レミリアお嬢様の肖像がに目をやりました。
肖像画の中のレミリアお嬢様は紅い月をバックに小さな手を胸の前に広げ佇んでいます。

「・・・・・・美しい」

肖像画の中のレミリアお嬢様の白い肌はまるで光り輝いているようにさえ見えるのです。
そして、幼さを感じさせない凛々しい面持ち・・・・・・私はうっとりとしてしまいます。

しかし、その夢心地を遮るように、私は一つの『気』を感じました。
「・・・・・・ッ!?」はっとして私は『気』の感じたほうを見ます。そこには咲夜さんが静かに立っていました。
私に視線を向けられた咲夜さんは、ちょっと驚いた表情を見せた後で言いました。

「あら、おはよう。良く眠れたかしら?」
「・・・・・・おはようございます。何時からそこに・・・・・・?」
私は恐る恐る聞きました。
「そうね、そのレミリアお嬢様の肖像画は私も気に入ってますのよ?」
「・・・・・・そうですか」
咲夜さんは、はっきりとは言わなかったものの恐らく最初から見ていた事でしょう。
私は苦笑を浮かべます。

はて、咲夜さんを見て思い出しましたが、私はどうして自室で、ベッドの中に居るのでしょう。
目覚めるの前の記憶がありません。それにベッドから出ようにも身体に力が入りません。
これは一体・・・・・・私が力を入れる度に走る痛みに顔をしかめていると、咲夜さんが言いました。

「体を動かしては駄目よ。貴方は美鈴との訓練で無理をして倒れたのよ」
「訓練・・・・・・無理・・・・・・」
その言葉を聞いた時、私ははっとあの時の事を思い出しました。
「そうだ・・・・・・私、弾幕を出して、そうしたら気が遠くなって・・・・・・」
放たれた青い流星、そしてめいりんししょう、意識が遠くなる直前の記憶がぽつぽつと頭の中に戻ってきました。

「そう、貴方は弾幕を出すのに身体中の『気』を使ってしまって、文字通り『気』を失ってしまったのよ」
「そうですか・・・・・・」
『気』を使いすぎて『気』を失う・・・・・・言いえて妙ですね。本当に。
私は、恥ずかしくなり、シーツで顔を半分隠しました。
咲夜さんは呆れたように一つ息を吐くと
「はぁ・・・・・・今はとにかく休みなさい。回復したらすぐに美鈴に謝って訓練を続けるのよ。近い将来に、貴方の力を試す機会があるわ。だから、それまでにしっかりと力を付けなさい」
それだけ言うと、咲夜さんは何処からか出したティーカップの乗ったトレーをベッドの近くの机に置いてドアを開き出て行きました。

私は、咲夜さんの置いていったティーカップを手に取り、咲夜さんの言葉を思い出しました。
「近い将来に、貴方の力を試す機会があるわ。だから、それまでに力をつけなさい」
力を試す機会・・・・・・それは一体何の事だろう。
何か大きな事件でも起こるのだろうか・・・・・・私は少し不安になります。
でも、私だって何時までもくよくよと弱いままではないのです。
めいりんししょうとの修行で着実に確実に力をつけているのですから。

そう、それにまたその不安を乗り越える為に力を付ける時間はあるのです。
私はそう意気込むと、手に取っていたティーカップを口につけました。

「・・・・・・にがッ!!!!」

思わず噴出しそうになりました。
液体自体は綺麗なオレンジ色をしていたのですが、それに反して苦さ100%。

これは咲夜さんの嫌がらせなんじゃ・・・・・・そう思った矢先、トレーの上に1枚の紙が置いてあるのに気がつき私はそれを手に取り広げます。
そこには文字が書いてありました。どうやら手紙のようです。
なになに・・・・・・


サンさんへ

お体の方は大丈夫でしょうか?『気』の使い過ぎによる消耗は何もせず、ベッドで横になるのが一番です。
回復したらまた弾幕修行をしましょう。今度は『気』をうまく使う修行と弾を避ける修行をします。これが終わればとりあえずは一人前です。一緒に頑張りましょう。


P.S
『気』の回復が早くなるように、漢方薬を煎じたお茶を用意しました!
サンさんが壊した城壁の事で咲夜さんにどやされましたので、いつもより苦味を増やしておきました!
是非とも最後の一滴まで飲んでくださいね。  

                                                  紅美鈴


・・・・・・そうでしたか。めいりんししょう。
どうやら、私の弾幕で壊した城壁の事で咲夜さんにまた叱られてしまったようです。
私は申し訳なく思いながら、その漢方薬を煎じた苦いお茶を一気に飲み干しました。

「・・・・・・がはッ!!!!」
余りの苦さに私の意識はまた遠くなっていきました。
視界がぼやけ、回りだし、しまいには暗い闇となりました。
ただ、その闇の中に笑顔のめいりんししょうが見えたような気がします。
あぁ・・・・・・本当に良い笑顔でした。


弾幕修行35日目
暗い暗い闇の中・・・・・・。
真っ黒な水の湖の中、私はふわふわと浮いています。
・・・・・・といっても『私』という存在もないようです。『私』という存在は真っ黒な水に溶け込んだかのように虚ろな意識だけがそこにあるのです。

(ここは・・・・・・?)
虚ろな意識を集めて少しははっきりとした意識になった途端、辺りの黒が渦を巻き変化を始めました。
渦を巻きながら、その黒は色を持ち始め空間を形成していきます。
やがて渦は治まり、そこには一つの空間が生まれました。

・・・・・・そこは、紅魔館のレミリアお嬢様の玉座のようでした。
相変わらずに私の存在はありませんでしたが、そこにはレミリアお嬢様と咲夜さんがいました。
レミリアお嬢様はあの日のように偉そうに玉座に座り、その隣で仕えるように咲夜さんが立っています。
あぁ、麗しくも可愛いレミリアお嬢様・・・・・・私はうっとりとしてしまいます。
レミリアお嬢様は咲夜さんからティーカップを受け取り、それに口を付けると、ティーカップを咲夜さんに返し言いました。

「咲夜、サンはどうかしら?」
咲夜さんは澄ました顔で返します。
「美鈴との訓練で大分力を付けていますわ。この調子ならお嬢様の筋書き通りになりましょう」
「そう・・・・・・でも、全てがその通りでは駄目ね。だからこそ、次には『アレ』を用意してるんだから」
そう言うと、レミリアお嬢様はククッと笑います。
咲夜さんは尚も澄ました顔で返します。
「その『アレ』の為にサンにはもっと訓練を積んで貰わないといけませんわね」
「今日もそのサンの回復の為に時間を引き伸ばしに行くんでしょ?なら、さっさと行って来てよ。今日はこれから神社に遊びに行くんだから!そこで寝込みの巫女を襲撃するのよ!」

レミリアお嬢様は、これからの事に思いを馳せているようでご機嫌な笑顔を見せています。
対して咲夜さんは、やはり澄ました顔でレミリアお嬢様を眺めています。
「はい、それではさっさと行ってきます。少し待っていて下さいね」
そう言うと、腰から下がった懐中時計を左手に握り、部屋から出て行きました。

咲夜さんが部屋から出た瞬間、急に辺りが真っ白になり、私ははっきりとした意識を得ました。
すぐに私は自分の身体を見ます。
そこには確かに私はあります。頬を叩いてみますが、こちらもちゃんと痛みを伝えてくれます。

「・・・・・・夢だったのかな」
夢・・・・・・無意識の世界。
私はめいりんししょうの漢方薬で眠りに落ち、レミリアお嬢様と咲夜さんが話している夢を見たようです。
何とも言えない夢でした。
レミリアお嬢様と咲夜さんは何やら私について話していたと僅かながらに覚えています。
しかし、それが何かは覚えていません。
ただ、レミリアお嬢様と咲夜さんがあの玉座の部屋で楽しそうに会話をしていた・・・・・・
それくらいしか夢の事は覚えていませんでしたから。
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by metal-animal | 2009-06-19 22:23 | 東方幻想入り小説 | Comments(0)
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