東方小説 4章その2

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします。







私とチルノさんは無事に湖を越えて山道を歩いています。
「本当にこっちで良いんですかぁ?チルノさぁん」

「・・・・・・」

「・・・・・・もっちろんよ!こっちの方向、うん、こっちの方向よ!!」
何ですか、今の間は・・・・・・。
チルノさんが指し示す『こっち』へ進んだ結果、森を抜け山道を進んでいる私達です。
うーん、どうにも私にはチルノさんが言っている方向が疑わしくてしょうがないのですよ。
それでちょっと言及してみると「あたいの言う事に間違いはないんだから!!」と言い張って私を引っ張るのです。

ぐぅー

とうとう私のお腹が鳴きました。そう言えば、紅魔館を出発して以来、食べ物を口にしていませんでしたね。
一応、食料は持ってきてあるんです。一応ですが・・・・・。
というのも、急な出発でしたから、ちゃんとした食料を準備できなかったんです。
だから厨房にあったパンを失敬したくらいしか用意していないのです。

「チルノさん、丁度綺麗な川もあることですし、少し休憩しましょう」
「えー、あたいはまだ・・・・・・」と少し不満げに頬を膨らませたチルノさんでしたが、
私がパンを差し出すと「そこまで言うんなら・・・・・・」と渋々合意してくれました。


ふぅ・・・・・・私はパンをかぶりつきながら、辺りの風景を一望します。
いつの間にか季節は秋になっていたようで、川を避けながらそびえる木々は赤々とした紅葉を見せ付けています。

「そうか・・・・・・もう秋なんだね・・・・・・」
私は、赤い赤い木々のその葉を見ながら、今までの事を思い起こしました。
初めて紅魔館で目覚めて、レミリアお嬢様の下で働くようになった事。
めいりんししょうと一緒に修行をした日々の事。
この風景を眺めていると、それがもう昔の事の様に思えてしまう・・・・・・。

そして・・・・・・私は一体何者なんだろう?ふとそう思いました。
普段は考えもしなかったけれど、この寂しげな光景を見るとそれを考えずにはいられなかった。


「ふぅいー、あぁ、本当に綺麗な紅葉だぁねぇ」
チルノさんのものとは違う何やら明るい調子です。
少し驚いたものの、その声からは少しの敵意や脅威を感じられません。

「え、えぇ・・・・・・本当に綺麗な紅葉ですね。思わず昔の事を考えてしまいますよ」
私は言葉を返しながらに、そろそろとその声の主へと目をやりました。
ポケットが沢山付いた水色の作業服、それが似合うような水色の短い髪、
そして、背中と頭にはそれぞれ緑色のリュックと帽子が乗っています。
リュックは何でしょうか・・・とても大きく膨れています。

「ふふ、そんな珍しいものを見るような目で私を見るな。私はただの河童さね」
「へぇ・・・・・・カッパさんなのですか、それで私達に何か用でもあるのですか?」
穏やかにそれとなく私はカッパさんに聞いてみました。

「いやいや、用という程のものじゃない。ただ、盟友である人間がこの綺麗な景色の下で食事をしていれば一緒に胡瓜でもかじりながら話に華を咲かせようと思うのが河童の常だよ」
そう言うと、カッパさんは私に生のきゅうりを1本手渡しました。

青々とした、それでいて丁度良く太い立派なきゅうりです。
「ありがとうございます」私は川の畔へ腰を下ろしました。
その私の隣にカッパさんは腰を下ろします。チルノさんは少し離れた所でバシャバシャと水しぶきを立てています。

「あぁ、そうそう。私は河城にとりっていうんだ。あんたは?」
「私は終夜サンです。紅魔館のメイドなんです」
「へぇへぇ、紅魔館の・・・・・・って、私は余り紅魔館は知らないねぇ。それで、その紅魔館のメイドさんがこの山に一体何の用なんだい?」

「えぇ、それが・・・・・・」
私はにとりさんんい私がここまで来た経緯を説明しました。
にとりさんは「はは、それは災難だねぇ、同情するよ」と笑って見せると、打って変わって真剣な顔で言いました。

「そうだね、その龍は確かにこの辺りで見た。しかし、あの龍は山の方へ行ってしまった。その山ってのが厄介な所でね、天狗達の縄張なんだよ。止めたい所だが、行くなら相当に覚悟した方がいい」
私はきゅうりをかじりながらも真剣な面持ちで返事をします。
「そうですか・・・・・・でも、私は帰る訳にはいかないんです」
どうした訳か、私は帰る事を考えてはいませんでした。
素直に・・・・・・率直に私の心の中で言葉を拾ってみると、
私は・・・・・・私は、あのりゅうを今までの私の結晶であると思うのです。

この景色を見て感じた今までの思い出・・・・・・それがあのりゅうなのです。
私の修行や出会いの思い出、私の集大成。

「ふふん、流石は盟友、いや、それでこその盟友だあね」
にとりさんは愉快そうに手をパチパチと叩いています。
「だけど、天狗の山が危ないのは相違ない。これだけは気をつけるんだ」

「はい、ありがとうございます」
私とにとりさんは、互いに右手を出し、ゆっくりとそしてしっかりと手を握り合いました。


にとりさんと別れ、チルノさんと合流した私は、にとりさんが教えてくれた場所、
妖怪の山へ向かって歩いています。
川に沿って歩くにつれて、景色は変わらないものの、川の流れは激しくなっています。

そして、私達は、その川の流れの上・・・・・・大きな滝へと辿りつきました。
その滝は天に通じているように高く大きく、水は巨大な生き物と思えるほどに大量の水を変わらぬ様子で轟音を立てながらこぼしています。

「こ、こりゃすごい・・・・・・あたい、こんなの見たの初めてだよ・・・・・・」
「わ、私もです・・・・・・」

私は思わず息を飲みました。
それほどに、その滝は巨大で、何か威圧感のようなものを放っていたのですから。
「あっ、そうです。私達の目的は・・・・・・」巨大な滝から目を離し、我に返ったその瞬間・・・・・・


「お前達!!一体そこで何をしている!?この山に一体何の用だ!!」


いきなり滝の轟音に負けないほどに大きな怒声が響き渡りました。
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by metal-animal | 2009-08-07 22:22 | 東方幻想入り小説 | Comments(2)
Commented by ネイムレス at 2009-08-08 01:41 x
どうもー、早速読ませていただきました。

人間に自分から近づいていくにとりと言うのも珍しいかな。
彼女は人間を遠巻きに眺めて満足している節があるのではと、個人的にはイメージしていました。

チルノはまたイメージ通りですね。
やんちゃと言うかなんと言うか、ああチルノだなぁと楽しませてもらっています。

滝と言えば皆大好き、あの方ですが、果てさて次回はどうなるのやら、楽しみです。
それでは、今回はこれにて。
Commented by METAL-ANIMAL at 2009-08-08 22:48
>ネイムレスさん
感想ありがとうございます。
なるほどなるほど・・・自分のは積極的でしたが、そういうのもありますね。にとりについては色々と書けなかった部分もありますので、そういった部分も補完する意味で短編を一つ書こうかなぁと思っています。

滝のあの方は、仕事モードなので(皆が好きな)普段持っているイメージから大分離れていると思います。なので分かり難いかもしれないですねぇ(笑)どうなるかは分かりませんが、どうかお楽しみに。
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