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東方小説 4章その3

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします。








恐ろしいほどの殺気・・・・・・私はその怒声よりも『気』に反応して相手を見ました。

私の視線の先に、その強烈な殺気を放っている人影が一つあります。
それは白い袴のような衣服、黒地に炎を描いたような赤い模様のスカート、
短めの白い髪を擁するその頭からは2つの獣耳が生えています。
そして、少年のように綺麗に整ったその顔は凛々しくも引き締まった形相でこちらを睨んでいます。

「ここは妖怪天狗の山だ!用がないならすぐに帰れ!!」

「なーにー!!このあたいに向かって・・・・・・って、うわぁぁぁっ!!」

怒りをむき出しに負けじと怒鳴っていたチルノさんに天狗が一撃を見舞いました。
天狗が発射した弾はチルノさんを軽々と吹き飛ばし、滝から流れる激しい流れの中へと追いやってしまいました。

・・・・・・こわい。これが山の天狗なのでしょうか。
手にはそれぞれ大きな剣と大きな盾が構えられています。
本気であれで襲われたら・・・・・・ううん、私だってめいりんししょうの下で修行したのです。
そして、主であるレミリアお嬢様に仕える者として、退く訳にはいかないのです。

「勝手に入ってすいません。でも、私はこちらに来たって言うりゅうを・・・・・・使い魔を探しているんです」
「・・・・・・龍だと!?」
「はい!!見つけたらすぐに帰ります。だから・・・・・・」
丁寧に切なる想いを込めて説得します。しかし、


「駄目だッ!!」


私の声を遮るように、天狗は大きく叫びました。
「ここから先は天狗の山だ!何があろうとも何人たりとも通すものか!!」
ダメです・・・・・・何にも話を聞いてはくれません。
でも、このまま帰る訳にもいかないのです。だから・・・・・・私は戦います!
めいりんししょうと弾幕勝負をしていた時のように、私はすっと構えを取りました。

「ふん、弾幕勝負をしようというのか!?良いだろう、その勝負受けたぞッ!!」
その言葉を合図に天狗は手に持っている剣を大きく横に振りました。
めいりんししょうの拳とハイキックと同じように、その一閃からは青色の弾幕が飛び出します。
飛び出した弾幕は、大きな波と小さな波に分かれ、飛んできます。

・・・・・・あの大きな波は絶対にダメ・・・・・・私は瞬時に判断します。
大きい弾が弾と弾との間をきっちりと埋めている・・・・・・抜けるなら小さい方!!

私は大きな波の軌道から外れ、小さい波の軌道へと入ります。
小さい弾の波の中は細かく鋭い弾幕が飛び交っているものの、大きい弾の波とは異なり、弾と弾の間にはちゃんと抜けられるだけの隙間が空いています。

私は細かい動きでそれを見切り、順々と抜けていきました。
「人間にしては中々やるようだな!だが、本番はここからだぞ!!」
そう叫ぶと今度は、手に持った剣を連続で大きく奮いました。

そこからは先程と同じように大きい波と小さな波が現れます。
違う点は、弾幕が連続になっている事でしょうか、先程の攻撃が途切れる事無く繰り返されています。

「でも・・・・・・やる事は同じです!!」
私は大きい弾の波を避け、小さい弾の波に入り、次から次へと襲い来る弾を避けていきます。


そう、次から次へ・・・・・・延々と避けていきます。
そして避けて行くにつれて、はぁ はぁ、と私の息遣いが大きくなっていくのです。

ダメです。避ける事に精一杯で反撃をする事ができない。
このままではジリ貧です・・・・・・何とかしないと・・・・・・。

私は反撃の手を考えながら、少しずつ焦りだします。そして、その瞬間に、
ヒュン!!と弾が私のすぐ横をすり抜けていきました。

「痛ッ!!」とっさの痛みに私は弾がすり抜けたと思われる箇所に手をやります。
服は刃物で切られたように切り裂かれ、そこから見える私の肌には赤いラインが轢かれています。
「ひっ!!」私はそれを見た瞬間に、全てを・・・・・・弾を避ける事さえも忘れてしまったのです。
「ああっ!!」私が注意を戻した時にはもう遅く、無数の弾が私の体へ次々と着弾していきました。
ぐぐぐぅ・・・・・・と声にならないうめきを上げながら、私は倒れました。
虚ろな意識の中で、私は壮大な滝とその前に佇む天狗を見ました。


「ふむ、ちょっとやり過ぎてしまったかな。まぁ、これが仕事だからしょうがないか・・・・・・」
天狗は溜息を吐きそう呟くと、私に向かって歩き出しました。
「このままにしておくのも罰が悪い。中々に楽しませて貰ったし、麓まで送ってやるとしよう」
一歩、また一歩と天狗が私へと近づきます。
私はどうする事も出来ずに、その足音をただただ聞いているだけ・・・・・・。


・・・・・・しかし、どうした訳か、不意にその足音が途絶えたのです。
by metal-animal | 2009-08-14 00:46 | 東方幻想入り小説 | Comments(4)
Commented by r at 2009-08-14 18:26 x
かまちー超え頑張ってくださーい(笑)
Commented by ネイムレス at 2009-08-14 19:50 x
どうもー、読ませていただきました。

今回は何時もと違って緊迫感があり、そこから椛の仕事熱心さが見受けられましたね。
可愛らしいのもいいですが、こうして凛々しい一面というのも椛らしさかと思います。
ちょっと強引なくらいに仕事をしていると思いましたが、気絶した後に麓まで運んでくれる優しさがあってホッとしました。
この椛は風神の時の射命丸を思い出しますね。

また、弾幕の表現もゲームの画面を思い出させてくれました。
ボム二発有れば楽勝だろうなーとか思いつつ読んでいた私には、きっと椛愛が足りないのだと思います。

それでは、今日はこの辺で。
コミケでは体調と盗難等にはお気をつけて。
Commented by metal-animal at 2009-08-14 19:59
>rさん
鎌池を超える事は勿論ですが、自分の考える最高のプロになる事を考えて、日々気合と執念を持って勉強しています。
今ではまだまだ遠い話ですが、いずれ鍛えた体と心で誰しもの為になる小説を書いてやります。
応援ありがとうございました。自分はそれに答えるべくもっと気を入れて勉強していきます、うん。
Commented by metal-animal at 2009-08-14 20:11
>ネイムレスさん
感想ありがとうございます。
椛に会える風神録4面は大好きなフォールオブフォールを聞くために、何度でもプレイしてきた思い入れのある場面なんです。
それだけに何度も何度もあの弾幕を見て・・・そして避けてきたので、それを何とか形に出来て本当に嬉しく思いますよ。

仕事中の気力150椛もそれだけだとイメージの違いで辛くなるんじゃないかと少し不安になりましたね。終わる所は毎度キリよくでやっているのですが、最後の最後に「あれはやっぱり仕事モードなんだ」と少しでも思える部分を挟めたので、コレで何とか上手く出来たと自分でも思っています(笑)

コミケは本当に過酷ですが、それとなく身体は鍛えてあるので、
大丈夫です、うん。
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