東方短編小説 チルノ編 『本当の最強』 最終話

この小説は二次創作です。
原作の世界観、設定を重視していますが二次創作です。
独自の解釈や二次設定があります。
どうか、それを忘れずによろしくお願いします。



そうして、あおいの死はすぐに周辺の妖怪や河童達に伝わり、彼等によって行われた葬儀には沢山の妖怪達が集まりました。
お世話になった者、一緒に山で遊んだ者、助けられた者……それはもう様々です。
そして、その妖怪達のいずれもが、あおいの為に涙を流しました。

あおいは、それに気づいていたかどうかは分かりません。しかし、あおいは知らず知らずの内に、多くの妖怪や河童達に愛されていたのです。


そう、本当の最強の力を持って……使っていたのかもしれないのでした。



エピローグ

彼岸の花が咲き乱れる三途の川。幻想郷では無縁塚と呼ばれています。
今日もそこへ、一人の幽霊がやってきました。

「おや、ようやく来たねぇ。いや、予定より随分早かったというべきかな。ともかく、四季様もあんたに会うのを楽しみにしていたよ」
江戸っ子気質の元気な死神、小野塚小町は大きな声で言いました。

「それじゃ、早速渡し賃を頂こうか」
小町は手を伸ばし、袋を受け取ると、中の銭を一枚一枚勘定していきます。

「うんうん、こりゃ結構入ってるねぇ。この分なら、あっという間に着いちゃうよ。いやぁ、楽だ楽だ!」

「……えっ?」

楽だ楽だ!と豪快に笑っている小町をよそに、幽霊は驚きました。

三図の川を渡る渡し賃、それは生前に慕ってくれた人々の総財産だと言われているのです。
無駄な戦いを続けてきた自分。戦いを呼んできた自分。そんな自分が誰からか慕われる事があったものでしょうか。


「ふふ、四季さまの言う通りだ。カラスが弾幕を喰らったような顔をしている。でも、大丈夫だ。そこの所は四季様が「私が教えを説きましょう」とかで張り切ってたから、十分過ぎる程に分かるだろう。じゃあ、そろそろ船を動かすよ。あっという間の船旅だが、存分に堪能すると良い」
[PR]
by metal-animal | 2009-09-10 18:54 | 東方短編小説 | Comments(2)
Commented by ネイムレス at 2009-09-10 18:58 x
どうも、読ませていただきました。最後まで。

いやー、ちょっとうるっと来ました。やられましたね。
一番最後の演出が心憎いなぁ。

4話の時点でもしやとは思っていましたが、やはりこういう流れになりましたか。
半永久的に生きる妖精にとって、妖怪でも人間でも何時か別れの時が来るのは当然なのでしょうけれども、
私の個人的な考えではチルノは死の概念を理解できるのだろうかなんて思ってしまいましたが、この話を見ると素直に理解できるんだろうなーなんて考えを改めさせられました。

こういう題材のお話を思いつく人は数限りなく居るでしょう。
しかし、思いついた物をきちんと形にして、作品として見せられる人はそうは居ません。
書ききって読ませてくれた事に感謝したい気持ちで一杯です。
よい作品をありがとうございました。

それでは、これで失礼致します。
お疲れ様でした。
Commented by metal-animal at 2009-09-10 23:09
>ネイムレスさん
幻想郷には余り『死』という概念・・・というか出来事がないんですね。
まぁ、あるといえばあるはずですけど、『妖怪の退治』や三月精3巻の『一回休み』など、直接的な表現がされていないんです。
でも、死なない妹紅が痛みを感じるように、痛みや悲しみというのは、恐らく妖精でも感じられるはずなんです。
まぁ、ここら辺は個人解釈になりますので、一概にそうとも言えるものではないのですが、俺としてはそう思うのですよ。

題材については、ありきたりな話なのは重々承知していますが、今の自分ではこれが精一杯なんですね。一人の人間がいきなり名作を作れる訳でもないので、ここはやっぱり地道に経験を積んで行くしかないんです。

そして、この作品のお陰で、自分もまた成長する事が出来ました。
ありきたり・・・とは書いたものですが、色々と試行錯誤をする内に、自分の気持ちを出し、納得できる形で完結できたのは本当に幸せな事です。
最後まで読んで頂いて、本当にありがとうございました。
この気持ちを大事にして、これからも作品を書いていきたいと思います。

<< もう少しで東方星蓮船委託開始! 東方短編小説 チルノ編 『本当... >>