東方小説 5章その3

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします。


あとがき
前回から話に出した花映塚式の弾幕勝負ですが、俺の実力では完全再現は不可能でした。
その為、出来る限り再現をして、無理な部分はオリジナルで進める事にしました。
それでも、難しい部分は多いものですが、何とか東方愛を持って最後まで頑張りたいと思います。



「魔理沙は分かってると思うけど、サンは初めてなのよね。じゃあ、とりあえず、使い魔と合体してくれないかしら」
紫パジャマの指示で――それも、あの霧雨魔理沙も見ている前で合体するのは、ちょっとばかり気に掛かりましたが、どうにも合体しないと話が先に進みそうにありません。仕方なく、私はりゅうと合体します。あぁ、合体と言っても、派手な事は全くないですよ?間違っても魔法少女が変身するような・・・ああいったものはありません。ええ。

という訳で、合体をしても、見た目こそ余り私に変化はありません。ただ、淡い水色のオーラをほんのりと纏っているくらいです。めいりんししょう曰く、分かる人には分かるらしいですが、分からない人には殆ど分からないそうな・・・。

「おおっ、すっげぇな!」
霧雨魔理沙が感嘆の声を上げました。
・・・と言っても、その声は壁の向こうからではありません。紫パジャマ同様に宙から降りてきたような感じです。私は、その声に振り向くように、見えない壁の向こうに居る霧雨魔理沙に目をやります。そこには、感嘆の声を発したのが霧雨魔理沙本人であるのが一目瞭然である程に、感激した様子でキラキラと憧れを視線を浮かべている彼女がありました。
ぽかんと、彼女を見ている私です。ですが、彼女の様子に少しずつ気持ちが良くなってきた私です。
あぁ、あの霧雨魔理沙とはいえ、ここまで驚いてくれると何だか得意気になってしまいますよ。えへへ・・・。


「出来たみたいね。それじゃ少しばかり、弾と的の妖精を出すから、それを避けつつ妖精を弾で撃ってみて」
そう、紫パジャマが言い終えると、見えない壁の先――この空間の奥の方から小さな弾が無造作に飛んできました。

さっさっ そういっ!軽やかにステップアップ!

私は難なく、それらをやり過ごします。
避けていて感じたのですが、これらの小さな弾には、こちらを狙って飛んでくるもの、そして、特に狙いを付けていない本当に無造作な弾の2種類があるようです。
狙いを付けずに無造作に飛んでくる弾というのは、その場に留まっていても当たる事はありません。めいりんししょうのキックで発生する弾幕。あれもキック自体はこちらを狙っているものですが、そこから飛び散る弾幕は全てが全て、こちらに命中する訳ではないのです。そう、目先に飛んでくる弾を避けるだけで、それ以外は狙いを完全に外しているのですから注意する必要が無いのです。

その逆に、こちらを狙っている弾というのは、その場に留まれば確実に命中します。
特に紅魔館で働いている妖精メイドさんが放つ弾幕にはこれが多くて、めいりんししょうとの弾幕を避ける練習においては、頑張ってとても正確なクナイの弾幕を放ってくれたものですよ。
まぁ、狙いが正確なので、妖精メイドさんの頑張りに反して、その射線から少し外れるだけで避ける事ができるんですけれどね。


とまぁ、弾幕についてはこれくらい・・・・・・次は、奥から妖精さんが姿を現します。
ぞろぞろと、縦に5匹程度で列を成した妖精さんです。列の先頭の妖精さんは後ろに居る妖精さんよりも一際大きく、ひまわりの花を魔法のステッキのように持っています。

『妖精を撃ってみて』

紫パジャマが言った言葉です。恐らく、あの妖精達の事を指しているのでしょう。
何だか可哀相ではありますが、先頭の・・・・・・ひまわりを持った妖精へ向けて、私の弾・・・水泡弾を発射しました。

びしゃん パシン!

軽い音を立てて見事命中です。私の水泡弾!
この一ヶ月の修行の成果――『気』の性質変化で身に付けた私の弾幕!

それが、ひまわりの妖精に命中すると妖精が軽い音を立てて爆発します。「びしゃん」の後の「パシン!」というのはこれの音なんですよ。

パシン パシン パシン!

先頭のひまわり妖精の爆発は、後ろの妖精に移り、導火線のように次々と軽く爆発していきます。
注目すべきは、その爆風。目に見える衝撃波は先程に私を攻撃していた小さい弾をパラパラと砂のように変えるとさせると、隣の空間、霧雨魔理沙の空間へと移動したのです。
隣の空間へと移動したその弾は、私の空間と同じように、霧雨魔理沙へ向けて飛んで行きました。

「とっ、とっ、あらよっと!」

軽やかに、そして難なくその弾を避ける霧雨魔理沙です。
そして、お返しとばかりに弾を撃ち、登場したばかりのひまわりの妖精を倒し、決めポーズ。
あぁ、流石というべきでしょうか・・・・・・その一連の行動はとても格好良く、とても決まっていました。

それに、たしょう・・・・・・多少!見惚れていた私ですが、すぐに注意を戻します。
霧雨魔理沙の弾による妖精の爆発。それにより砂のようになった弾。先程とは逆に霧雨魔理沙の空間から私の空間へと移動して、再び私に向けて飛んできました。
その数・・・・・・密度は明らかに先程よりも増加しており、普通に避けるだけでも難しくなっています・・・・・・!


「えー、二人とも聞こえているかしら?」
そこで紫パジャマの声が響きます。
私に向かって飛んできていた結構な量の弾幕。それらは紫パジャマの声が響くと同時、全てシュイン!と咲夜さんの瞬間移動のごとく、一瞬にして消えてしまいました。

「魔理沙は分かってると思うから良いんだけど・・・・・・サンはスペルアタックを知らないわよね?」
「すぺる・・・・・・アタックですか・・・・・・?」
「ええ。今回の弾幕勝負では、3枚までのスペルカードの使用を許可する予定なの。スペルアタックは文字通り、スペルカードを用いた攻撃なんだけど、普通の弾幕勝負と同じく、相手フィールドにスペルカードに応じた効果を発揮するわ」
「へぇ、それなら、私のマスタースパークは最強じゃないか」
「それについては否定はしないわ。でも、こういった特殊な弾幕勝負で、それがまともに当たる事なんて殆どないじゃない。緋想の時も萃夢の時も・・・・・・ね」

マスタースパークというのは、霧雨魔理沙の必殺技の破壊光線と以前に聞いていた事があります。聞いた話ではかなりの強烈なスペルのようですが、紫パジャマのこの言いようだと案外に大した事がないのかも・・・・・・しれないです。文章だとイマイチ分からないですけど、「萃夢の時も・・・・・・ね」の所なんて明らかにいつもの人を馬鹿にした感じがぷんぷんしてますもの。分かります?「時も・・・・・・ね」の「ね」の所に嫌らしいアクセントが・・・・・・姿は見えないけど、きっと笑っていますよ。そんな様子が目に浮かびますよ。えぇ。

ぐぬぬ・・・・・・と悔しそうな霧雨魔理沙。
話を振ったのが本人だけに、この嫌味反撃にはとても悔しそうです。

「ま、そんな事はどうでもいいわ。それより、サンもいくつかスペルカードを開発してるわよね?」
うっ・・・・・・「スペルカードの開発」その言葉に私は息を飲みました。
確かに魔法や魔力、体力や体術などは、勉強に修行を積んできたものです。
しかし、スペルカードなんて大それたものの開発は、私にとって、二の次だったのですよ。

めいりんししょうの大迫力の虹色のスペル。それに、さっきは貶されてましたが、霧雨魔理沙のマスタースパーク。憧れのレミリアお嬢様に咲夜さんだって、きっとものすごいスペルカードを持っているでしょう。
そんな方々と比べたら、私がスペルカードを持つなんて・・・・・・本当に恥ずかしいしおこがましい。そう思って修行に明け暮れているのが今なんです。

「えぇ、えっとぉ・・・・・・それが・・・・・・」
正直、馬鹿にされたり、さっきの霧雨魔理沙みたいに冷笑されるのも本当に御免なんですけど――こればっかりは持ってないし、しょうがない・・・・・・。

「まぁ、貴方の日常は見てたから、そんなのは分かりきってるんだけどね」
はぁ・・・・・・というわざとらしい溜息が聞こえます。
だったら聞くなー!と言い返したい所ですが、スペルカードを開発していないのは他ならぬ私です。ここは何も言い返せません・・・・・・ぐぬぬ。

「本当は貴方のスペルを見ておきたかった所だけど、しょうがないわね。霊夢との勝負の時までには用意しておくこと。これは絶対よ」

紫パジャマがそう言うと、フッと辺りが暗くなりました。
そして周囲の全てが暗転し、暗いまま・・・・・・あぁ、図書館に戻ったようです。
暗転した時の暗闇をそのまま、図書館の薄暗さが引き継いでいる感じです。
この転換についてこれず、ちょっぴり辺りをきょろきょろしていた私ですが、見渡した所で、図書館の本棚に紫パジャマ、それに霧雨魔理沙を見つけ、ここが紅魔館の図書館である事を確信します。

「なんだよ。もう終わりか。もうちょっとあの仮想フィールドでサンと遊びたかったのに・・・・・・」
霧雨魔理沙が紫パジャマに歩み寄り悪態を吐きます。
彼女が何を考えて私と遊んでいたのかは分かりませんが、その様子は何処か残念そうではありました。
しかし、当の紫パジャマはいつも通りのすました無表情で「これは何よりあんたのせいよ?昼間に来いっていうのを夜中に来るものだから・・・・・・レミィが起きてこっちに向かってるわ」


「なっ・・・・・・なるほどっ!それはそれは・・・・・・」と態度を急変させて、ちょっとたじろぐ霧雨魔理沙。
「そういえば、以前、本を盗って行った時に紅魔館を壊したでしょ?その時に、お気に入りの服やらティーカップが壊れたとかでレミィ、すっごく怒ってたわ。『今度会ったらころしてやる』とか凄んでたし、数日間はすっごい機嫌も悪くて苦労したわよ」
「そーなのかー なんてな・・・・・・じゃ、じゃあ私はやんごとなき事情を思い出した。帰る!」
そう言って、霧雨魔理沙は箒にまたがると一目散に図書館から出て行ってしまいました。

霧雨魔理沙が通った後は、箒がまるで尾を引いたように、色とりどりの綺麗な星がふわふわと宙を漂っています。そして、少しずつ少しずつ、すぅと薄くなり、消えていきます。

「ふぅ、魔理沙もまっとうに生きていれば相当なものなのに・・・・・・」
消えていく星のイルミネーションを眺めながら、紫パジャマが言いました。
その様子は、何処か寂しげな感じがします。とぼとぼと机に向かうと、何も言わず、置いてあった本を開きます。
緑色の分厚い本。背表紙もちらっと見えますが、何が書いてあり、何が書かれたホンであるのか――私には全く分かりませんでした。


「えっと、私はどうしたら良いのでしょう・・・・・・か?」
霧雨魔理沙が去り、紫パジャマが本を読み始めたので、一人、ぽつんとしている私が訪ねます。

「・・・・・・そうね。スペルカードの開発でもしたら?本を読んで、その通りに魔法を発動させれば、それだけでスペルカードにできるわよ」
本を読みながら、無表情で言いました。
「・・・・・・はい。分かりました」
嫌味な言い方でしたが、怒る気も起きず、私は素直に平静に返事をします。
それは、私がスペルカードを持っていない事実があるから。
博霊霊夢と勝負をする為にも、スペルカードを開発しなければならないのです。
私がレミリアお嬢様の力となる為にも、これは避けては通れない道なのでしょう。そう思って、私はその場をあとにします。その際に、背中の方から声が聞こえました。

「スペルカードはそんなに大したものじゃないわ。頑張りなさい。私の見てきた貴方の日常なら、出来るはずだから」
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by metal-animal | 2009-10-31 21:52 | 東方幻想入り小説 | Comments(2)
Commented by ネイムレス at 2009-11-01 19:05 x
どうも、ゆっくりと読ませていただきました。

今回は読んでいて、たまに拝見する此方の攻略レポートを見てるような気分になりました。
妖精の描写などは、確かに良く原作をやっているんだろうなーと。
そしてマリサは、ここでもまたフラグを建てていくのですね。

今回一番印象に残ったのは、最後の紫パジャマの台詞。
普段厳しい態度の人が、ふっと優しさを見せると効きますね。

それでは、今回はこれほどにて。
Commented by metal-animal at 2009-11-01 23:35
>ネイムレスさん
サンの心情や背景ばかりを綴っていくのも流石に無理があるので、そういった部分を加えてみました。会話や台詞以外の地の文を自然な流れで組み込んで間を持つというのは本当に難しいですよ(汗)
俺としても、この辺りは本当に弱いと思っているので、根を入れて勉強していかないといけないです・・・うん。

パチュリーは、やっぱり興味のない人や物に対しては全く無関心ですから、振り向かせる(ギャルゲーで言う所の評価を上げる)にはそれなりに苦労が必要だと思うんです。
まぁ、サンがそれだけ苦労しているかというとまだまだそうではない感じで、まぁ、ちょこっと目に入るようになってきた――ようやくイベントを始める事ができるぞ!的な感じです、多分(

そして、めちゃめちゃ苦しい壁をぶち壊せる勇気が沸いて来るのは、めちゃめちゃ厳しい人達が不意に見せた優しさのせいだったりするというのは昔流行った歌のサビです。
あの台詞のお陰で、きっとサンも頑張れる事と思います、うん。
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