東方小説 5章その4

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします。






そうしてまた一ヶ月。
いよいよ、紅魔館でのパーティ。そして博麗霊夢との弾幕勝負の前日となりました。
館内・・・もといパーティ会場の大広間では、メイド妖精達が掃除や装飾などの準備で大忙しです。あっちへ行ったりこっちへ行ったり、メイド妖精達は働きアリのように休む事、止まる事なくせっせせっせと準備を進めています。そんな私も、紅魔館のメイドの一人として、パーティの準備に参加していたものですが・・・・・・

「あっ、はい。今、行きますね」

何でも咲夜さんが私を呼んでいるらしく、私は準備の場を抜けて咲夜さんの部屋へと向かいます。タッタと駆ける廊下の途中、私はふと窓の外へ目を向け、足を止めました。
窓の外はもう真っ暗でした。その夜の闇の中を黄色い月の光りだけが幻想郷――あぁ、館内の廊下を寂しげに照らしています。

「・・・・・・・・・・・・」

何か心に感じた事。漠然とした不安?いや、未知なる未来への希望でしょうか。
そんなものを一瞬だけ感じました。でも、多分それは気のせいでしょう。確かに不思議な感覚ではありましたが、ふと考えてもそれに関しての答え――それが何であったのかは全く見当がつかない。川の流れで岩に引っ掛かった葉っぱがすぐに流れに乗って流れて行くように、私はすぐに考える事をやめて足を動かしその場を後にします。ちょっとは気になった事でしたけど、それよりもまずは咲夜さんの部屋に行かなければいけません。だから、今は気のせいにしておきます。また気が向いたら、よく考えてみる為に。


そうして、長い長い廊下を渡り、私は咲夜さんの部屋へと着きました。
トントンとニ回ほどノックをすると、すぐに「どうぞ」返事がありました。
私はゆっくりとドアノブを回し、部屋へ入り、少しの音も立てず、瀟洒に扉をしめます。
部屋の中はランプで明るいものですが、雰囲気としては何処か薄暗い様子・・・・・・顔を上げて正面を見ると、咲夜さんは机に向かって座っていました。

「柄にもなく、緊張しているのかしら?」

まず第一声がそれでした。柄にもない――というのはちょっと引っ掛かりますね。
知らない事や初めて見るものばかりのこの幻想郷。そこでは常に緊張していたような・・・・・・そんな気がしますから。
「緊張はしています・・・・・・一応、怖いですから」
『柄にもなく』という部分には敢えて触れません。恐らく、咲夜さんの意地悪でしょう。
「ふふ・・・・・・」
それについての反論がなかったのに感心したのか、それとも、私の反応が面白かったのか・・・・・・?咲夜さんは不敵に笑います。そして、椅子から立つと言いました。

「これからお嬢様の広間に向かいますわ。分かっていると思うけど、お嬢様は弱い事が大嫌いですから『一応』でも怖いなんて言っちゃ駄目。『一応』でもお嬢様は貴方を信頼しているのです。そんな貴方が弱気な所を見せるなど、それはお嬢様にとっての裏切りを示すのです。だから、自分には嘘をつかなくても良いけれど、貴方の事を信じている、レミリアお嬢様に私、パチュリー様や美鈴の事を忘れないで頂戴ね」

つかつかと、扉の前へと歩きながら、咲夜さんは言いました。
「咲夜さん・・・・・・」確かに、私は博麗霊夢との弾幕勝負に不安を感じていました。修行を沢山積んではきました。しかし、それでもめいりんししょうや椛さんとの弾幕勝負がそうだったように、私はまた負けてしまうだけなのではないか――そう思っているのです。

私が負ける事・・・・・・それは私の勝手です。私が弱かっただけですし、私が惨めなだけです。でも、今度の私の弾幕勝負――それは私一人の勝負ではない・・・・・・のです。咲夜さんが言ったように、私を信じて、私の事を想ってくれている方々が居るのです。
レミリアお嬢様を始めとした紅魔館の人達だけじゃない。妖怪の山のにとりさんや椛さん、それに文さん。人間の里の慧音さんに妹紅さん。私がここまで来れたのも、そんな素晴らしい方々のお陰なのでした。


だから、私は・・・・・・。


「ほら、ぼーっとしてないで、さっさと行くわよ。レミリアお嬢様は待つのも嫌いなのですから」
「はっ、はいっ!!」
私は、慌てたような高い声で返事をすると、駆け足で咲夜さんの後ろにつき、部屋を後にしました。
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by metal-animal | 2009-11-07 21:40 | 東方幻想入り小説 | Comments(2)
Commented by ネイムレス at 2009-11-08 07:44 x
どうも、読ませていただきました。
またいい所で続いている。またやきもきしてしまいますね。

勝負の結果が意外なものになるのか、予定調和なのか。どう見せてくれるのか楽しみです。
もともと神や大妖怪とも戦える様にする為のスペルカードルールなのであからさまな惨敗も無いかとは思うのですが、自機の時以外あんまり発揮されない主人公補正の事もあるので色々予想が出来ませんね。

あと、誤字かなと思われるのを一応。
>それは分かるの勝手です。
>私一人の勝負はない

それでは、今回はこれほどにて。
Commented by metal-animal at 2009-11-08 22:58
>ネイムレスさん
実質的に霊夢との弾幕勝負はラスボス的なものになります。
まぁ、だからと言って必ずしもサンが勝つ訳でもなく、物語的に負けるとも限らない・・・まぁ、難しい所ですね。

霊夢に至っては「ありのまま」を描きたいです。
主人公補正とか関係無しに、霊夢ならこうするだろう、こう動きこう喋るだろう、などの俺のイメージのままに動かして行きたい・・・というか、これはまぁ何時もやっている事でしたね(笑)
でも、これが一番難しいんです。いくらイメージを掴んでいても、自分が思い描くものとのギャップと言うのは少なからず生まれてくるものですから。

何にしても、気合を入れて頑張っていきましょう。
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