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赤き心の龍戦士 第17話

最近は、色々とスランプっています。
というのも、書くのが怖いというかな・・・。上手く文章が書けない事を恐れて、書けないでいる事が多いんです。まぁ、それじゃ、何時まで経っても小説なんて書けないものですが、それじゃあ良くないんですよ(笑)

とはいえ、悩みながらもペンを握れば、そこそこ思う文章はかけています。
だから、この山を乗り切った時が、結構安定してくると思うのです。
ここはぐっと気張って頑張って、必ずや実力としてものにします。

さてさて、前置きはこれくらいにして、久しぶりの本編の方をどうぞ。
そして、お待たせして申し訳ありませんでした。







ある夕刻の事だった。その太陽の沈む空は、いつもに増して赤かった。
炎が燃え盛るような赤だ。まるで、空で大きな火事が起きているような――そんな赤だった。

「これはあの時と同じ・・・・・・?まさか――」

人々は、その空を見詰め、次々と呟いた。
あの日――そう、あの日とは、赤の国の人々の誰もが忘れては居ないあの日の事だ。

赤魔龍襲来ノ乱。

この空を見て、誰もが、あの空のように炎の赤に包まれる赤の国を見ていたのだ。
これはまた何かが起こる前兆かもしれない、と、居ても立っても居られないような不安に駆られ、胸騒ぎがする――そう、感じた人々は、未だ夕刻だというのに、早々に店や仕事を切り上げると、せっせと自分の家へと帰っていった。

そうして、日が沈むと、赤の国の街路地には、人っ子一人の姿も見ることはできなくなった。
日は落ちても、空の赤色は強く残り続けた。そして、その赤色が夕闇と混ざると、不気味な紫色へと変化していった。




「なんか・・・・・・今日はやばくねぇか?」
赤の国の王城のテラスで、ミレイシャは不気味な色の空を見ながら、そう呟いた。
そうして、すぅーと、視線を下へと落として行く。見えるのは街路地だ。
いつもなら、人々で賑わっているはずの街路地が、今日ばかりはしんと静まり返っている。そこには一人の商人すらも見受けることができなかった。祭日の日ならともかく、今日は何の祭事もなかったはずだ。

「そうだねぇ。やっぱりこの空がやばいんだよ」
そう言って、イオスは空を指差した。その指の先には、日が沈んだにも拘らず、赤々とした雲に空がある。

「この空か・・・・・・つーと、またあれが来るのかね。魔龍グランディア。シャラやラガインのアホも言う事もあるし、満更、冗談ですみそうにねぇなぁ・・・・・・」
「ラガイン・・・・・・ラガインといえば、ラガインが置いていったあれってどうすれば良いんだろうねぇ?僕が見た所、何をやっても動かなかったし、ただの甲冑にしか見えないんだけどさ」

イオスはテラスの入り口においてある、マシンソルジャーと呼ばれた甲冑へと目をやった。
あの日、ラガインが置いていったマシンソルジャー。数にして31体。大きさも並のにんげんよりも一回りは大きく、保管場所にはほとほと困ったものだった。色々と悩んだ結果、城の装飾品として、城の至る所に置いておいたのだ。テラスの入り口にあるのもその内の一体だ。


「はぁ!?お前、そんな事も聞かなかったのかよ!?」
目元に少し力を入れ、ミレイシャがイオスを怒鳴りつけた。
イオスはビクッと肩をすくめると、上目遣いで、そろそろと小さな声で言い返した。

「違うんだって、ラガインが一方的だったんだよぅ!あれを出したと思ったら、『セイゼイ、アガケ』って言って行っちゃったんだよ。だから、僕が悪いんじゃないって」
「何が『セイゼイ、アガケ』だよ!?やっぱ馬鹿にしてるじゃねーか!!あの野郎・・・・・・。よーし決めた。こいつら全部ぶっ壊して回ってやる!!」
ミレイシャがラガインに憤慨し、テラスの入り口に飾られたマシンソルジャーへと歩み寄り、手を伸ばしたその時だった。


どおん、という爆音が響いた。

突然の轟音に、ミレイシャは動きを止め、振り返った。そこには赤。赤い炎が黒い煙をもくもくと立ち上らせながら、轟々と燃えていた。

「なっ・・・・・・一体、何が起こったんだ!?」
そう言っている間にも、またどおんと爆音が上がった。どおんどおん、と、まるで太鼓を叩いているように、立て続けに鳴り響いた。

「ああっ、あれを見てよ!ミレイちゃん」
そう言って、イオスは空を指差した。
空は先ほどまで不気味な紫を呈していた。だが、この爆発から生じた炎で、まるで夕刻のように明るくなっていた。テラスから見える遠くの山々の形、それすらも、今ではくっきりと見えるほどだった。
by metal-animal | 2009-11-28 22:38 | Comments(0)
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