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東方小説 5章その7

東方projectの二次創作小説です。
オリジナルキャラクター、設定の独自解釈があります。
特に自分の東方を幻想郷を大事にしたい方は、無理をして見る事はありませんので、
そこの所を宜しくお願いします。





「ごきげんよう。レミリアお嬢様」
「・・・・・・久しぶりね。貴方を招待した覚えはないのだけれど、これは一体どういう事かしら?」
「ふふ、相変わらず意地悪ね。私はわざわざ冬眠から目覚めて来たのよ?少しくらい歓迎してくれたって良いじゃない。それに、私のプレゼントしたあの子の晴れ舞台を見ておきたくってね。どう?あの子は元気にしているかしら?」

「サンはもう私のものよ?貴方にも他の誰にも渡しはしない。貴方がサンを連れて行くというなら、私は全力で貴方を排除するわ」
「あの子に対しての私の目的は、もう直に達成されるわ。だから、貴方からあの子を奪うなんて無駄な事をする必要性は全くないのよ。安心しなさいな」

「チッ・・・・・・まぁ、良いわ。勝手にしなさい」
「ふふ、ありがとう。それよりも、貴方の目的の方はどうなのかしら?私の目的は達成されるけど、貴方の目的は未だなんじゃない?」

「貴方にそれを話す必要はないわね。どうせ、何処からか見るつもりでしょ?それこそ必要がないし、無駄な事だわ」
「それはどうかしらね。これが終わったら、私はまた冬眠するわよ。そうなったら、春が来るまでは何も見る事はできない。見れても、精々、夢くらいなものよ」

「だったら、早く帰って寝た方が良いわね。その方が夢も長く見れるし、この間の冬みたいな事になってみなさい。冬眠が永眠になってしまうから」
「それは気をつけないといけないわね。ご忠告ありがとう。さて、私も、パーティを楽しみたいし、そろそろ会場へ向かいますわ。それでは、ごきげんよう。レミリアお嬢様」



                              ※


「全く、あの吸血鬼も存分に失礼ですね。ああいった輩は、一度、痛い目を見なければ自分の矮小さが分からないのでしょう」

「そうはいっても、藍。貴方程度じゃレミリアには敵わないわよ?勿論、橙の分を足してもね」

「そんな事はありません。紫さま。紫さまは寝ていて分からないと思いますが、私たちは日々修行を積んで力を高めています。そんな私たちが負けるはずがありません」

「・・・・・・化け猫連合を組んで、イタズラや魚をドロボウする事が、果たして修行なのかしらね」

「うっ・・・・・・。でも、最近は言う事を聞くように――私も式を使えるようになれば、それだけ・・・・・・」

「ありがとう。橙。でも、式を使える様になるには、遊んでばかりいないで、もっと勉強をしなければいけないよ」



                               ※


こくこくと時間が過ぎるにつれて、パーティ会場の大広間は賑やかになっていきました。
背中に鳥の羽を生やした女の子に、黒いマントに頭から触角を生やした男の子。
会場にいる殆どの人が人間と変わらない格好をしています。しかし、そのほぼ全てが妖怪で――何か特別な力を持った『気』を出しているのです。そんな多くの『気』の中に、溢れんばかりの強い『気』が、黒い蒸気となって、もくもくと立ち上っているのが見えますね。

あぁ、あそこにいる赤い傘を持った女の人ですね。
ポツン、と隅の方で、にこにこと笑いながら、会場の様子を見ています。
何が面白いのかは分かりません。
だから、本当に特異なその人の姿は、私を含めて、他の人にも目に入っている筈なのですが、
どういう訳か、どの人達もその人を無視しているのです。『そこには最初から誰もいない』といったように、目を向ける事も気にするようなそぶりも見せません。

私もまた先ほどの三角巾の人とはまた違った――本当に嫌な感じがするので、
この人の事は見なかった事にしますよ。くわばらくわばらです。
by metal-animal | 2009-12-04 22:10 | 東方幻想入り小説 | Comments(0)
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