調子や気分が向かず、更新しようか迷ったものですが、
俺の作家魂と目指すものの為に、頑張って更新することにしました。 プロたるものは、やはり調子や気分に左右されないで仕事をするもの・・・。 そんなプロに少しでも近づく為には、こういう時こそ頑張らないといけないですね、うん。 そんな明るい空の中、いくつかの影がバサバサと翼を羽ばたかせながら飛んでいるのをミレイシャは見た。 「何だ……鳥か?それにしちゃ大きい……」 空を飛んでいるそれを見詰めながら、ミレイシャは言った。 すると間もなく、その鳥のような影が一つ、ミレイシャ達の方へと頭を向けた。そして、大きく頭部を前後に動かすと、燃え盛る火の玉――火炎弾が現れた。 その火炎弾はみるみるうちに大きくなる――いや、こちらに近づいているのだろう。とにかく、凄まじい力と勢いを保ちながら、火の粉を散らし、風を切り飛んで来ている。 それを確認した直後、チッと一つ舌打ちしたミレイシャは咄嗟に素早く手を動かした。 月守り奥義「月鏡結界」!! パン!と手を叩き、手元の印を結び終えると、テラスの正面に薄く黄色い膜が現れる。 カーテンのようにヒラヒラと、それでいてオーロラのように確かな強さを持った膜だ。 そんな膜に、迫っていた火炎弾が直撃した。 どおん!と音を立てては爆発が起こる。――だが、その爆発はテラスの手すりや枠に傷一つつける事はなかった。爆発で生じた衝撃すらも、膜の内側にいたミレイシャ達には届いていない。 何の被害もないテラスを見渡して、イオスが歓喜の声を上げた。 「やっるー!ミレイちゃん、さっすがー!!」 ミレイシャはそれに応じず厳しい顔を浮かべテラスの先に見える複数の影を見詰めながら、おゆやくの事で声を出した。 「バカッ!んな事言ってる場合じゃねぇって!って、ああっ……何だよ、コレッ!!」 気付いてみると、鳥のような影は5から10――それ以上に増えていた。今はまだ、その姿を全て捉える事はできない。どんな風貌をしているのか、どんな目的を持っているのか、それは街を燃やす炎の明かりをもってしても明らかにはならないのだ。 ただ分かるのは、その鳥は影のように黒色をしているという事くらいだろう。 その黒い影の鳥の中、取り分け大きめの影がギャアギャアと高鳴りな凄まじい方向をあげた。それにつられるように、他の影――黒い鳥達もギャギャア!!と突き刺さるような鋭い鳴き声をあげた。 そんな影の鳥達が咆哮を上げている下では、狂騒に駆られ、逃げまとう赤の国の人々の悲鳴が響き渡っていた。 甲高い鳴き声がこだまし炎が街を覆う様子。グランディアの乱、これらがその記憶を呼び覚ますのだろう。人々は戦う事すら忘れ、退路へと――国の外へと一目散に非難して行く。戦える者、日頃から訓練を積んでいる赤の国の戦士の姿もその中にある。 とはいえ、全ての戦士が退路へ向けて走っている訳ではなかった。退路の誘導に徹する者もいれば、怪我人の手当てを行う者もいる。そして、懸命に弓や色魔術を用いて反撃する者も僅かながらに存在したのだ。 水流「水流の射手」!! 雷撃「電激鳥」!!! 水の矢や鳥を模った雷が術者の手を離れ、空を飛ぶ影の鳥へと一直線に飛んでいく。 「やったか!?」 術者の一人が声を上げるが、影の鳥は怯む様子も見せなかった。 「ダメだ。弓も色魔術も射程範囲外なのか!?」 「いや違う、あれは無効化している!?」 空に居座る影の鳥へ向けて、いくつもの術が飛んで行くが、そのどれもが影の鳥の周囲で消滅している。そんな様子を誰もが見て分かっていた。 それでも、戦士や色魔術者は諦めずに攻撃を続ける。 逃げる人々への注意を少しでも逸らす為に、自分達の国を少しでも守る為に。
by metal-animal
| 2009-12-13 22:12
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